先日、私たちは訪問看護ステーションれんげ草かがわさんをご訪問し、
代表の瀬尾さんにお話を伺いました。
瀬尾さんは看護師として長年、徳島医大で務めた経験から
精神保健福祉士の資格を取得するなど、
主に精神科患者さんへの支援に力を入れており、
現在は徳島と高松で訪問看護ステーションを展開しています。
まず初めに、精神科患者さんへの対応
(統合失調症、アルコール依存症、認知症など)、
行政の対応や各種制度のこと、保健師のことなど、
実に多くのことを瀬尾さんのご経験をもとに、実例を交えて教えていただきました。
その中で、今回皆さんには、
認知症で弄便行為(排泄した便をいじったり、自分の着ている衣類や寝具、周辺の壁などになすりつけたりすること)があるお年寄りを例にあげ、
認知症に伴う異常行動と介護について、
瀬尾さんの考察を参考にお話したいと思います。
(認知症の症状についてはこちらをご参照ください。)
お年寄りは若い人たちに比べ、動きはゆっくりとなり、
視野は狭くなっています。
また、尿意や便意を感じづらくなるなどが原因で、
トイレまであと1歩のところで間に合わず失敗してしまうことがあります。
初めて本人がトイレを失敗したとき、
介護するご家族は「大丈夫だよ、掃除するね」と
心に余裕をもって対応することができます。
しかし、何度もトイレの目の前で失敗してしまったり、
掃除した直後に失敗したりを繰り返すうちに、
ご家族には余裕がなくなっていきます。
その結果、「また失敗したの?なんでいつもトイレの目の前で失敗するの?
嫌がらせなの?」と本人を責めたり、怒ったりしてしまいます。
すると、お年寄りは、失敗したときに「怒られたくない。その便を隠そう。」と
できる範囲で排泄の失敗を隠そうとしますが、
限られた身体能力でうまく隠すことができません。
それが、クローゼットに入れる、
外に放り投げるなどの弄便行為という症状として表出するのです。
とはいえ、「失敗を責めたご家族が悪い」というのではありません。
弄便行為などの異常行動に対して、
責めたり怒ったりせずに笑顔で接し続けることができないのは、
仕方がないことだと思います。
「こんな異常行動、到底理解できない!」と突き放すのではなく、
「どうしてそのような行為に至るのかしら?」と、
行動の原因や本人の状況を理解しながら対応を考えていけるように、
ご家族を支えることが大切なのです。
最後にもう一つ、私は今回瀬尾さんから、
精神疾患の患者さんと接する上での大切な基礎となる考え方を学びました。
人によって、また時代によって、「正常」の定義は違う。
環境によって「正しい」ことも「目指すもの」も違う。
この人は、この病気だから、といってマニュアル通りに接するのではなく、
その人にとってのベストを探すことが大切だということ。
瀬尾さん、この度は本当にどうもありがとうございました。
訪問看護ステーションれんげ草かがわ
TEL:087-880-8500
メール:sayonaki-k@mg.pikara.ne.jp
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