お家でできる?「認知症のテスト」とは…③

引き続き、認知症についてお話していきます。
少し前回のおさらいをしていきます。

「改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」という、
認知症の審査を目的に使われる、簡単な認知機能のテストがあります。

9つの評価項目のうち、前回は、4つ目までお話しました。
ご覧になってない方は、
お家でできる?「認知症のテスト」とは…② から読んでみてください。
1~4つ目までの質問項目は、
第1問 あなたの年齢はいくつですか?
第2問 今日は何年何月何日何曜日ですか?
第3問 私たちが今いるところはどこですか?
第4問 これからいう 3 つの言葉を復唱してください。
後で聞きますのでよく覚えておいてください。
という内容でした。

第5問―a 100から7を引いてください。
▶「93」と答えられた場合・・・1点
こちらが正解した場合のみ、次の質問をします。

第5問―b そこ(93)からさらに7を引いてください。
▶「86」と答えられた場合・・・さらに1点

★“計算力”を司っているのは、脳の「前頭葉」という部分です。
認知症には、前頭葉に障害をきたすものもあり、
計算力が下がってしまうことがあります。
また、第5問―bでは、記憶の「保持」も評価しています。

第6問 これから言う数字を逆から言ってください。
a) 6―8―2
→「286と答えられたら正解。」・・・1点
b) 3―5―2―9
→「9253と答えられたら正解。」・・・さらに1点
(aが正解のときのみbも行います。)

★“逆唱“ 課題に対する短期間の記憶と、指示に対する理解力を評価します。
同時に、注意力に異常がないかもチェックします。

第7問 先ほど覚えた言葉(第4問の3つの言葉)をもう一度言ってください。
▶自発的に答えられた場合・・・各2点(計6点)
答えられなかった場合、ヒントをだします。
例)「さくら」→「植物」、「猫」→「動物」、「電車」→「乗り物」
▶ヒントにより正解できた場合・・・各1点

★記憶したものを一定時間が経過した後に、思い出す力を評価します。

第8問 これから5つの物を見せます。それを隠すので何があったか言って下さい。
※1つずつ名前を言いながら並べ覚えてもらい、次に隠します。
時計、くし、はさみ、タバコ、ペンなど相互に無関係なものを使いましょう。
▶各1点

★目で見たものに対する記憶と、その記憶を呼び起こせるかを評価します。

第9問 知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。
※途中で詰まり、10秒待ってもでない場合は、打ち切ります。
▶正答数10個以上 5点
正答数9個   4点
正答数8個   3点
正答数7個   2点
正答数6個   1点
正答数0~5個   0点
★野菜という単語から“思い出す力”“言葉にする力”を評価します。

以上で、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)のお話は
おわりです。
次回も引き続き、認知症についてお話していきます。

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