前回、歯科衛生士という仕事についてお話しました。
その際も少しお話ししましたが、今回はお口の中のケア(口腔ケアといいます)について、
詳しくお話ししていきます。
口腔ケアの効果
口腔ケアをしないと何が起こるのか、というお話は前回お話しましたが、
実は、口腔ケアにより、予防できる病気がたくさんあるのを知っていますか?
今回は3つご紹介しますね。
まずは、認知症です。
歯周病菌が認知症の発症リスクを高めると言われており、
また、歯の本数が減ることによって、嚙む動きに影響が出ます。
例えば、硬いものが食べられなくなり、自然と肉や野菜を避けてしまう為、
タンパク質やビタミン・ミネラルなどの栄養素が不足しやすくなります。
ある研究結果によると歯の本数が1本減るごとに認知症を発症する確率が1%上昇、
歯をすべて失った場合には認知症を発症する確率が約1.3倍高くなるという報告があります。
(参考文献:Front Aging Neurosci)
つぎに、糖尿病です。
歯周病と糖尿病はお互いに影響を与えることがわかっており、
歯周病は「糖尿病の第6の合併症」とも言われるくらいです。
重度の歯周病は糖尿病のリスクを約1.5倍増加させ、
糖尿病は歯周病のリスクを約1.3倍増加させるという研究結果があります。
(参考文献:BMC Oral Health)
つまり、歯周病になると糖尿病リスクが高まり、
さらにその糖尿病リスクによって歯周病もまた悪化するという負の連鎖ですね…
最後に、脳梗塞です。
歯周病は脳卒中、その中でも特に脳梗塞のリスクを高めることがわかっています。
具体的には、脳卒中のリスクを約1.9倍、
脳梗塞のリスクを約2.7倍増加させるという研究結果が出ています。
(参考文献:Vasc Health Risk Manag)
☆ちなみに!
脳卒中には、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、破れる「脳出血」や「くも膜下出血」があります。
歯周病菌は厄介ですね(-_-メ)
歯を失うことや歯周病は口だけの問題ではなく、体全体に影響を及ぼしているので、日々の口腔ケアが非常に大切です。
しかし、施設ではお年寄りの生活に関わること全てを担っているので、
中々十分なお口のケアまで行き届かない場合があります。
そのような場合に訪問歯科などで、歯科衛生士や歯科医師が、口腔ケアを行ないます。
訪問歯科診療は実際に歯医者さんにあるような大きな機械は使えませんが、
携帯用の歯を削る機械や入れ歯を削る機械、歯の型を取る道具など沢山揃っており、
その状況に応じた対応ができます。
次回は、その訪問歯科診療について詳しくお話ししていきます。
分からないことがあればお気軽にお問い合わせください。
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