引き続き「痛み」についてお話ししていきます。
前回のおさらい
前回は、誘発痛と体動時痛の違いについてご説明しました。
誘発痛の特徴
軽い刺激でも強い痛みが誘発される
運動以外にも、触られる、気温の変化、感情の変化などによっても誘発される
主に神経系の疾患に多くみられる
体動時痛の特徴
運動の強度に比例して痛みの強さが増す
主に運動器系の疾患によくみられる
今回は、痛みに対する温度の影響と、冷やす・温めるという対処法について、クイズ形式で学んでいきましょう。
痛みと温度のクイズにチャレンジ!
以下の症状に対して、「冷やす」べきか「温める」べきか考えてみてください。
① 肩こり、腰痛は?
② 出血しているときは?
③ 運動した後の筋肉痛は?
④ 痛みが続く神経痛は?
⑤ 関節炎は?(変形性関節炎、リウマチ性関節炎など)
冷やすとどんな効果があるのか
局所を冷やすと、初めは冷たさによる痛みを感じることがあります。しかし、温度が下がると神経の伝達速度が遅くなるため、局所が冷えてくると痛みの感じ方が鈍くなってきます。
冷却の主な効果
痛みの伝達を遅くする(特に強い痛みに有効)
血管を収縮させて炎症を抑える
腫れや熱感を軽減する
温めるとどんな効果があるのか
局所を温めると、その部分の皮下の血流が促進されて発痛物質が洗い流され、筋肉の緊張が和らぎます。これにより、痛みの悪循環を断ち切るのに効果的です。
温熱の主な効果
血流をよくする
筋肉の緊張をほぐす
エンドルフィンの分泌を促進して痛みを抑える
関節の可動域を改善する
クイズの答え合わせ
① 肩こり、腰痛は? → 温める
慢性的な筋肉の緊張による痛みのため、血流改善により症状の軽減が期待できます。
② 出血しているときは? → 冷やす
急性の外傷で炎症を起こしている状態のため、冷却により血管収縮と炎症抑制を図ります。
③ 運動した後の筋肉痛は? → 温める
運動後の筋肉疲労による痛みには、血流促進により疲労物質の除去を促進します。
④ 痛みが続く神経痛は? → 温める
慢性的な神経痛には、血流改善とリラックス効果により痛みの軽減を図ります。
⑤ 関節炎は? → 症状による
急性期で熱感・腫れがある場合:冷やす
慢性期のこわばりや痛み:温める
痛みと温度のまとめ
急な痛みは冷やす!
痛みの伝達を遅くする(強い痛みに有効)
血管を収縮させて炎症を抑える
捻挫、打撲、骨折などの外傷直後
患部が熱を持ち腫れているとき
慢性的な痛みは温める!
血流をよくする
筋肉の緊張をほぐす
エンドルフィンの分泌を促進して痛みを抑える
肩こり、慢性腰痛
関節リウマチや五十肩
急性期を過ぎた怪我
日常生活での判断ポイント
冷やすべき症状
患部が熱を持っている
腫れがある
怪我をした直後
炎症による急性痛
温めるべき症状
慢性的なこわばりや痛み
血行不良による痛み
急性期を過ぎた怪我
筋肉の緊張による痛み
重要な注意点
痛みの原因や種類によって、冷やすべきか温めるべきかが異なります。判断に迷う場合や、以下のような症状がある場合は、医療機関を受診して適切な処置を受けることが大切です。
症状が改善しない場合
痛みが徐々に悪化している場合
発熱や強い腫れを伴う場合
日常生活に大きな支障をきたしている場合
適切な温度療法を選択することで、痛みの軽減と早期回復につながります。ただし、これらは一般的な指針であり、個人の症状や体質によって適切な対処法は異なる場合があることをご理解ください。
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