引き続き、認知症について、お話ししていきます。
では、少しおさらいをします。
認知症には、いくつか種類があり、前回は脳血管性認知症と、ピック病について、お話しをしました。
今日は、認知症の中核症状と周辺症状とは、どのような症状なのか、詳しくお話していきます。
☆認知症は、加齢による脳の病的な変化や、病気などによる脳の障害によって脳の細胞が壊れることで発症します。
壊れてしまった脳の細胞が担っていた役割が失われることで起こる症状を「中核症状」と言います。
一方、中核症状によって引き起こされる二次的な症状を「周辺症状」と言います。
中核症状が現れることによって、精神的に落ち込んだり、できないことに焦りを感じたり、不安になったりしてしまいますよね。
このような性格や心理状況が原因となって起きる症状が周辺症状です。
中核症状
記憶障害
・夕食を食べたことを忘れる
・近時記憶が障害される 病気とお薬~認知症①~でお話ししています。
失語
・名前が出てこない。「あれ」「それ」などのあいまいな表現になる
・言葉の意味が分からず、会話のつじつまが合わない
失行
・手や足は動くのに、どうするのか、どうすればいいのか分からない
・服をうまく着ることができない
・箸やハサミなどの使い方が分からない
失認
・目の前にものがあることが分からず、物や人によくぶつかる
・目では見えているのに、それが何か分からない
見当識障害
・自分の年齢や、時間、場所、季節、夫婦や親子などの関係性、現在や過去な
どの時間的関係などに関する事が、分からなくなる
・近所で迷子になる
・昼夜の間隔がずれ、夜中に出かけようとする
実行機能障害
・料理の手順が分からず、作れない
・洗濯物を干す、などの動作が出来ない
・物事の手順が分からない
~例~
目の前にペットボトルに入ったお茶があるとします。
認識できているのに「お茶」という名前が出てこないのは失語。
目では見えているのに、「お茶」だと分からないのは失認。
麻痺などもなく自由に指先が動くにもかかわらず、フタを開けられないのは失行。
自動販売機でお茶を買う時、お金を入れた後に商品のボタンを押していないのに、
取り出し口を探してしまうような場合は実行機能障害です。
周辺症状
周辺症状はBPSDとも言われ、更に行動症状、心理症状に分けられます。
行動症状
・睡眠障害 ・暴言暴力 ・徘徊
・不潔行為(下着やおむつの中に排泄した便を素手でいじったり、便を取り出して、自分の着ている衣類や寝具、周辺の壁などになすりつけること)
・異食(ビニール袋を飲み込もうとしたり、洗剤を飲み込んでしまうこと) など
心理症状
・不安 ・焦り ・幻覚 ・妄想 ・興奮 など
認知症の方に対しては、症状を理解し、豊かな心で共感して対応することが大切です。
「理解不能な高齢者」と、レッテルを貼ってしまうと、その方にとっても、介護する側にとっても精神的、身体的なダメージが大きいです。
不安や興奮などの症状に対しては、接し方の工夫のほか、薬による治療も有効なので、主治医の先生に相談してみましょう。
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